能のワークショップに参加して遠いと思っていた幽玄の世界がグッと近づいた気がした

投稿者: | 2014年2月12日

暮れも押し迫ったころ、能のワークショップがあるという誘いを受けて、出かけてみることにした。

場所は中野坂上から少し歩いたところの武田修能館というところ。

武田家は…

シテ方観世流の一派。口上によれば、このようなワークショップを全国で展開しているようだ。

この修能館は武田家の稽古場らしい。完全な能舞台ではないが(橋掛りがないなどスペースの都合で舞台が簡略化されている)、ギャラリーとの距離が近いので、能楽堂よりもワークショップに向いているかもしれない。

私が能を見たのは30年ほど前に1度ぐらいという体たらくで、千駄ヶ谷の能楽堂で羽衣かなにかを学割でというのが朧げな記憶だ。

確かに、1つの演目をなんの予備知識もなく鑑賞するのは無謀だし、その魅力も半減してしまう。こうして説明を受けながら、いろいろな場面をつまみ食いできるチャンスを作ってくれるのは嬉しい。

能とは、日本の古典版ミュージカルで、完全分業制であることにまず驚いた。

そしてシテ方だけは謡を許されていること。

能と狂言は「ご飯と味噌汁」の関係のように密接で、シリアスな内容の能に対して、生きた人間を題材にコミカルに表現したものが狂言。こちらは漫才の元祖と言われている。

能でもっとも難しいとされているのが老女を演じることで、世阿弥は老いたなりに演技が深まるような老女ものを多く作った。

こうした解説のあと、実演を交えて、能の魅力に迫っていく。

主催は武田文志さん。

プロフィール | 観世流能楽師「武田文志」

まだ40歳前のバリバリの若手だが、将来の能界を背負って立つ有望株のようだ。しかし、大病を患われて、実は今回のワークショップも出演が危ぶまれていたらしいのだが、ほぼ本調子に回復されて、すばらしい舞を披露してくれた。

衣装についての説明。

高価なもので、家宝として扱われているそうだ。

衣装にも新しいものと枯れた古いものがあるそうだ。舞台ではなかなか見分けがつかないが、もちろん衣装をつける本人たちには重要な問題になる。

いわゆる国宝級の衣装もあるとか。そして、それをまとって舞うにも当然のように求められるものがあるということになる。

能面(オモテ)の解説。紐を通す穴の付近しか手を触れてはいけないものだそうだ。

能面の裏側を見る機会はなかなかない。視野はかなり狭そうだ。

上向きをテリ、下向きをクモリという。

装着する際にはオモテに礼をしてからでなければならない。このように掲げるときも慎重に扱っていることが伝わってくる。

鬼の面。それぞれに由来があるのも興味深い。

このほかに面白いと感じた点は、衣装は大ぶりに作られていて、誰でも着られるようにしてあること。歌舞伎では糸どめをして着る人に合わせるが、能では紐を数本使うだけ。衣装にはなるべく針を通さないようにしているそうだ。

能の楽屋は舞台と同じ高さで作られているというのも興味深かった。能では舞台は戦場であり、楽屋は本陣であるという認識からくるものだそうだ。

謡や楽器のさわりを一緒にやってみるコーナーもあり、非常に内容の濃い、刺激的で楽しい催しだった。

機会があればまたぜひ参加したい。

以下は資料==

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