大分・中津に伝わる北原人形芝居が原田神社で催された件

投稿者: | 2015年2月2日

北原人形芝居は大分県中津市北原地区に鎌倉時代から伝わる人形芝居だそうです。

 

2月の第1日曜日に奉納されるというこの人形浄瑠璃、諸国巡歴をしていた北条時頼の病平癒の余興として催されたのが起源とか。

現在は保存会が結成され、小学校のクラブと協力して保存活動を続けているそうです。

 

儀式舞は「三番叟(さんばそう)」ではなく「翁渡(おきなわたし)」という演目。

と思って繙いてみると、古くから伝わる猿楽の儀式的な曲として「式三番(しきさんば)」があり、そもそもは父尉(ちちのじょう)と三番猿楽とともに3人で踊られた祝福舞とか。三番猿楽はのちの三番叟で、室町以降はこの3人が千歳(せんざい)と三番叟、そして翁によるものになったようです。

これが現在の能の演目「翁」となった一方で、江戸歌舞伎ではそれを真似て、こけら落とし、正月興行の仕初(しぞめ=仕事始め)、顔見世初日から3日間といった際に披露されたもの。

こうしたところに格式を感じますね。

 

三保小学校人形劇クラブによる「傾城(けいせい)阿波の鳴門・巡礼歌の段」や地元保存会による「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)・火の見櫓(やぐら)の段」のほか6演目も披露され、さらに人形を操る仕組みを解説するワークショップのようなコーナーも設けられるなど盛りだくさん。

機会があればぜひ観に行きたい興行です。