日本経済新聞の「文楽の若手・中堅 伝統の枠超え新たな挑戦」という記事を紹介します

投稿者: | 2021年1月3日

日本経済新聞電子版に、文楽人形浄瑠璃の近況をまとめた記事が掲載されていました。

ヴァーチャルシンガーと文楽のコラボ

記事ではまず、2020年10月25日に世界遺産の群馬・富岡製糸場西置繭所(おきまゆじょ)の整備工事完了を記念して開催されたイベントを紹介。

「恋娘紬(こいむすめつむぎの)迷宮(ラビリンス)と題されたこのステージでは、初音ミクと文楽人形が初共演。

会場には「普段の公演よりずっと若い10~30代が多」かったとのことです。

また、11月28日に開催された「大阪パフォマ!」(大阪市、山本能楽堂主催)では、文楽の演目を紙芝居で表現。竹本織太夫の語りを堪能できる内容になっていたようです。

テリトリー外へ積極的に文楽をデリバリーも

大阪市の千日亭では、「ハナシの糸口」で三味線の鶴澤友之助らが桂吉坊と、11月27日には豊竹咲寿太夫が桂咲之輔と共演する出し物があったようです。

興味深かったのは、吉田簑紫郎の「バックパッカー文楽」という活動の紹介。

人形や衣装を背負って、「40代以下の若手技芸員とともに10人前後のコンパクトなチームでアジア諸国を回る」というもので、2014年から8カ国を訪れているそうです。

記事の最期には、こうした若手らの活動を総括する桐竹勘十郎のインタヴューが掲載されています。

「(コラボ)公演ではどれだけ存在感を出せるかが勝負。うまく対応できないと人形にパワーが伝わらず、相手にのみ込まれてしまう。共演の仕方にも工夫が必要だ。いろいろコラボすると、人形のパワーが一番出るのは浄瑠璃であり、浄瑠璃ってええなあ、ようできてるなあと思う瞬間がある」

「(動画配信は)どんな『絵』を発信すべきか考えないといけない。人形そのものには表情がないので顔のアップでは意味がない。人形全体の動きを見せつつ表情をどう感じてもらうのか。太夫と三味線をどう見せていくか。今後は映像の専門家も必要になる」

まとめ

2020年は文楽もほかのライヴ芸能と同様にコロナ禍の大打撃を被り、ますます運営の厳しさが増していることと想像します。

そのなかで、旧態でよしとせず、進んで外に出る活動を続けている人たちがいることはすばらしいと思いました。

芝居小屋の賑わいを取り戻したいというノスタルジーもあっていいかと思いますが、現実的な「withコロナ」の文楽を試行錯誤する姿を見守り、応援したいと思った2021年の正月でした。

文楽の若手・中堅 伝統の枠超え新たな挑戦|日本経済新聞電子版 2021/01/03
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOIH141890U0A211C2000000