不本意な注目を浴びた文楽を知るための最も適したガイドはこれだ!>「橋下徹市長にオススメ 三浦しをんが教える“文楽”の楽しみ方」 #人形劇

投稿者: | 2013年7月9日

あちこちに噛み付いては物議を醸し出している橋下徹大阪市長。

いささか旧聞に属してしまったので、すでに「そんなこともあったなぁ」と遠い目をしてしまう人も多いかもしれませんが、ちょうど1年前くらいに、大阪発祥の文化遺産である文楽に言及し、こき下ろしていました。

そのときに反撃の狼煙があちこちで上がっていたのですが、これはそのうちの1つ…

橋下徹市長にオススメ 三浦しをんが教える“文楽”の楽しみ方(ダ・ヴィンチ電子ナビ) – エキサイトニュース(1/2)
文楽初心者にとって、とても参考になる本がある。2012年の本屋大賞も受賞し、いまもっとも大衆から支持を集めている作家のひとりである直木賞作家・三浦しをんの著書『あやつられ文楽鑑賞』(単行本:ポプラ社、文庫:双葉社)だ。 …

橋下市長にこれを読んでほしいとは思いませんが、文楽に興味がある人はぜひ手にとってほしい本です。

内容は、作家の三浦しをんさんがミーハー的に文楽をルポルタージュするというもの。

いや、ルポルタージュというより、韓国ドラマ好きが高じて韓国語を習ってロケ地のツアーにまで出かけて行って、出演者に会って握手して帰ってくる、というものと違いがないような感じ。

それは決してダメということではなく、それだけの熱意をもって対象に迫っていくという例えです。

ミーハー的とはいっても、そこは直木賞作家の視点と文章。自分の興味を冷静に見つめる視点があり、立派な文学作品になっている、というありきたりな褒め言葉では追いつかないような、やっぱりミーハーならではの熱気と説得力があって、読んでいるこちらもついつい引き込まれてしまうことしばしば。

もちろんそれは、読者も文楽にちょっとは興味があることが前提で、まったく興味がないところがから物語を紡いでいく文学とは違うのかもしれませんが、逆に言えば文学という枠を取り払って文楽の愛を共有しようという波動がビシビシと感じられるということなのです。類は友を呼ぶってこってすな。

これは人形劇研究の第一歩としてもオススメできる本。ぜひご一読を。