農村歌舞伎について

投稿者: | 2023年12月12日

10月2日付の神戸新聞NEXTに、神戸市北区で開催された農村歌舞伎の上演会を伝える記事が掲載されていました。

この上演会を実施したのは、地元で活動する「六甲丹生(にぶ)かぶき」に所属するメンバーで、3歳から70代までがいるとのことです。

出し物は「白浪五人男」「菅原伝授手習鑑~車引~」などで、孫色のない本格的な活動であることが伝わってきます。

このショッピングセンターでの公演はプレ公演で、本番は11月5日に「あいな里山公園の農村歌舞伎舞台」で行なわれた模様。

公園の入場料のみで観覧できたようで、こうした地域に根ざした伝統芸能が続けられる社会であると良いなあと思った次第です。

いまでこそ歌舞伎は専業のプロ公演というイメージが強くなっていますが、江戸時代はアングラ劇団みたいな存在で、それこそ地域ごとに有志が集まって練習を重ね、祭りなどで披露(奉納)しているようなものだったんですね。

特に兵庫で農村歌舞伎が盛んだったようで、現在1000基ほど残るとされる農村舞台の10%が兵庫県内にあるそうです。

日本三大農村歌舞伎をされるのは、檜枝岐歌舞伎(福島県南会津郡檜枝岐村)、小鹿野歌舞伎(埼玉県秩父郡小鹿野町)、中山農村歌舞伎(香川県小豆郡小豆島町)。観光化されていたり、地域に残る数少ない行事ということでクローズアップされているのではと推測されますが、逆に神戸などではより身近な存在として伝えられている故に、希少性が話題にならなかったりするのかもしれないですね。