「百両ないと縛り首に…」 人形浄瑠璃で詐欺の手口説明|朝日新聞 という記事を読んで、子どものころに交通安全指導で人形を使ったものがあったのを思い出した。
調べてみると、この交通安全指導で使われていた人形は……
ケンちゃんという名前だったらしい。
みょーなインパクトがあったから、指導としては成功したのかもしれない。
記事では、交通安全指導ではなく、あいかわらず「母さん助けて詐欺」が浸透していない「オレオレ詐欺」の防止を目的としたもの。
徳島の伝統芸能「阿波人形浄瑠璃」を通じてオレオレ詐欺への注意を呼びかける新作劇ができた。母娘の情愛を題材にした有名な演目のパロディー。観光スポットの県立阿波十郎兵衛屋敷(徳島市)で23日に初演し、全国から訪れる高齢者らに、だまされないよう訴える。
観光スポットで上演されているところがちょっと「?」なのだが、名所旧跡を旅して回る高齢者も多いので、あるいは意外な効果が見込めるのかもしれない。
舞台は江戸時代。主人公の女性・お弓は、奉公に出た娘・お鶴になりすました詐欺犯から電話を受ける。最初は怪しむが、奉公先の主人からも「金の用意はできたか」と電話があり、娘を案じて100両を渡してしまう、という筋立てだ。
タイトルは「警醒(けいせい)電話鳴ると~オレオレ詐欺の段」。元の演目は、文楽でもよく演じられる「傾城(けいせい)阿波の鳴門」。主君のために徳島を離れ、身を隠す十郎兵衛・お弓夫妻と、故郷に残された娘の物語だ。父母を捜す旅に出たお鶴と再会したお弓が、母と名乗りたい気持ちをこらえるくだりが涙を誘う。
企画したのは徳島県警。寸劇などで詐欺防止を訴えてきたが、より効果的な方法として、高齢者に人気の人形浄瑠璃に着目。9月、義太夫三味線奏者で作曲も手がける鶴澤友輔さんに台本作りを依頼した。人形浄瑠璃を演じる「青年座」の玉井啓行さん(57)が振り付けし、約10分の作品ができた。
警察の同好会的な活動ではなく、台本作りから人形浄瑠璃のプロに依頼しているので、見ごたえはあるのではなかろうか。
約10分、機会があれば「新たなケンちゃん」ならぬ「なりすましのお鶴」をぜひ観てみたい。