チュツオーラの名作「やし酒飲み」を扱った人形劇が福山で5回目の上演

投稿者: | 2015年2月13日

 

デフ・パペットシアターひとみが広島・福山で「森と夜と世界の果てへの旅」の上演を行なうというニュース。

 

9136593_02c506774c_m photo by Rigmarole

 

 

この人形劇は私も観に行きました。原作も幻惑的でしたが、その雰囲気をうまく人形劇化して、とても評判がよかった演目です。

 

東京公演の後、全国を回ると言っていたのですが、ロングランになっているようですね。

 

エイモス・チュツオーラはナイジェリアの小説家で、原作の「やし酒飲み」はヨルバ人の伝承をもとに小説化した内容。原作も読みましたが、日本の「古事記」に似た黄泉の国を旅する話で、とてもおもしろかったです。

 

お近くで興味のある方はぜひ。

 

 

 聴覚障害者と健聴者が共に活動する人形劇団「デフ・パペットシアター・ひとみ」が14日、「森と夜と世界の果てへの旅」を県民文化センターふくやま(福山市東桜町)で上演する。魅力を伝えようと福山に劇団を招いてきたNPO代表の三好久美子さん(66)が、今回も上演を実現させた。「聴覚障害者への理解と手話への関心を広げていきたい」という。
デフ・パペットシアター・ひとみは、「ひょっこりひょうたん島」で知られる「人形劇団ひとみ座」を母体に1980年に設立。川崎市に拠点を置き、国内外で上演し、海外でも評価されている。今回の舞台は結成30周年の記念作品。「歩き続ける」をテーマに、酒好きの主人公ジュジュマンが、亡くなったやし酒造りの名人に会うために死者の町へ旅立つ様を描いている。
劇団員6人のうち、3人が聴覚障害者。舞台では、人形の繊細な動きと、手話や音声、言葉をスクリーンや衣装に映し出すことで登場人物の機微を表現。西アフリカの打楽器「ジェンベ」を使った躍動感ある生演奏など、聴覚障害者にも視覚的に楽しめるよう作られている。企画制作担当の大木翔吾さん(32)は「多彩な表現方法の一つひとつが、聴覚障害者と健聴者がどう意思を伝え合うかを考えさせる仕掛けにもなっている」と解説する。
今回の上演は生涯学習の支援団体NPO「ラーニングネットふくやま」が主催。三好さんはその代表だ。初めて舞台を見た20年前、研ぎ澄まされた表現力に魅了された。「聴覚障害者も健聴者も感動させる舞台。この感動をきっかけに、手話で会話をしてみたいという自発的な思いが生まれる」と思った。
劇団に福山で上演してほしいと要請し、これまでに福山市で4回、公演を実現させた。5回目となる今回は10年ぶりの公演だ。三好さんは「舞台を見れば、聴覚障害者への理解はきっと深まり、広がっていく」と話す。
舞台のプレイベントとして、1月23日に福山に劇団員を招き、「音」について考えるワークショップを開催。劇団員や人形などの動きに合わせ、参加者約30人が楽器で音を鳴らした。難聴の劇団員、牧野英玄(ひでのり)さん(32)は「ふだん意識していない表現力の無限の可能性を感じてほしかった。相手を意識し、理解を深めれば、難聴者も健聴者も互いに通じ合える」と話した。
公演は14日正午から、千円。問い合わせは三好さん(090・8600・3305)。(高島曜介)