人間国宝・鶴澤清治さんのインタビュー「太夫との競い合いが大事」

投稿者: | 2013年8月12日

文楽の三味線弾きで人間国宝の鶴澤清治さんのインタビューがありましたので、リンクしました。

記事はこちらから…

SEIKYO online (聖教新聞社):〈伝統芸能〉語る 人形浄瑠璃文楽 三味線(人間国宝) 鶴澤清治さん
人形浄瑠璃文楽は、語り(太夫)と音楽(三味線弾き)と人形(人形遣い)によって演じられる世界でもまれな「人形劇」である。2003年にはユネスコ無形文化遺産に宣言された。今月20日(土)から8月5日(月)まで国立文楽劇場(大阪)で「夏休み文楽特別公演」が行われるが、第2部・名作劇場「妹背山婦女庭訓」(午後2時開演)に出演する鶴澤清治さんに話を聞いた。 …

記事では、鶴澤清治さんが三味線弾きになった経緯、国立文楽劇場(大阪)の「夏休み文楽特別公演」で担当する「妹背山婦女庭訓」についての解説があって、鑑賞の予習にはもってこいの記事になってますね。

そして、三味線とはなにかという話になると、含蓄の深い言葉が続きます。

文楽における三味線の立ち位置を「料理で言うスパイス」に例えて、離れすぎてはもちろんダメだけれど、ピッタリと合いすぎるのも緩慢になってよくないと断じています。

 ですから、太夫と三味線は舞台で競わなければいけない。競うところは競って、助けるところは助ける。ここぞというところで助けられる三味線弾きが、有能な三味線弾きといわれています。

 突き放して太夫の五感を揺さぶるといいますか、太夫の持っている力を目いっぱい出させる。ある時はそれ以上に出させることができるのが、三味線弾きの力です。

人形浄瑠璃は人形遣いと太夫と三味線の協業によって育まれるもの。その関係性のなかにいる達人が語る独特の距離感についての言葉はとても刺激的で、鑑賞側にとっても参考になります。