この記事をざっくり説明すると……
Eテレの番組「baribara」はたまに観ています。
障害は個性であり、多様性を改めて考えるいい機会を与えてくれます。
Baribara × BURAKU ~人の世に熱あれ~
2020年12月の特集で、「三番叟まわし」が取り上げられていました。
正月などに、家々を回り、福を招いた人形芸が、50年前におきた結婚差別事件で存亡の危機に。差別が人の命にとどまらず、大切な文化までもを奪い取ってしまった事実を前に、人間の尊厳をテーマに議論。100年前、部落の青年たちが起(た)ち上がった宣言とは?
2週にわたって落差別を取り上げたなかで、徳島の山村に伝わる「三番叟まわし」がらみで起きた事件を題材に、差別との戦いを追った内容でした。
三番叟まわしについて
差別問題について知識が深まったのとは別に、興味が湧いたのが「三番叟まわし」でした。
「三番叟まわし」は江戸時代から伝わる「門付け芸」のひとつで、「人形を納めた箱をかつぎ、芸人が家々をまわって人形芸をおこなう」というもの。
「人形の舞いは五穀豊穣を祈り、豊漁を願い、家々に福をもたらす」として、その担い手に施しをすることで習慣を維持してきました。
ただ、戦後の高度経済成長期に施しを受ける側を被差別と見る傾向が強まり、こうした環境を苦にした女性が自死するという事件が起きて、この芸能を守る一族や、「三番叟まわし」をはじめとした芸能が次々に消えていったそうです。
番組では、「三番叟まわし」の最後の後継者に弟子入りした中内正子さんを追って、「三番叟まわし」のさわりも紹介。
少し調べてみると、阿波の国には生活に根付いた人形劇がいろいろと伝わっていたもよう。
まとめ
「三番叟」は、舞のなかでも別格の意味を与えられた演目であると感じています。
地域の伝承のなかに残っているもののなかには、その土地ならではの歴史的な解釈アレンジが施され、神聖なるものと我が町ならではのプライドが織り交ぜられて独自のスタイルになっているものが多いのではないでしょうか。
機会があれば、そうした土地土地を訪ねてみたいです。