東京・小平市の糸あやつり人形一糸座が三重の小学校で文化庁の巡回事業[ニュース拾い読み]

投稿者: | 2023年7月12日

文化庁による巡回事業で、伝統の人形劇と触れ合えるという、いわゆるアウトリーチが実施されているようです。

この記事のケースは、糸あやつり人形の一座が三重へ出張しています。

6年生4人も特別出演 漕代小で人形浄瑠璃の公演 20本の糸で操り村人役「緊張」「重く」「楽しい」 三重・松阪
文化庁の巡回事業 東海道中膝栗毛や橋弁慶など3演目

 三重県松阪市目田町の市立漕代小学校(橋本恵美子校長、59人)で26日午前10時40分から、「糸あやつり人形浄瑠璃」の公演があった。6年生4人も村人役で特別出演し、子供たちは興味津々の様子で見入っていた。
 文化庁の「学校公演巡回事業」の一環。糸あやつり人形浄瑠璃は、江戸時代から約400年続く伝統芸能で、人形遣いが1体につき20本近くの糸で人形を操り、せりふ回しや物語を語る義太夫、伴奏の三味線から構成される。
 この日は、「糸あやつり人形一糸座」(東京都小平市)のメンバー21人が訪れた。演目は▶東海道中膝栗毛▶橋弁慶▶本朝廿四孝(にじゅうしこう)──の三つ。太鼓や鼓などの鳴り物や照明機材、松の木の舞台セットなど、本物の劇場さながらに上演された。
 東海道中膝栗毛は、一糸座代表の江戸伝内さん(74)と、長男で4代目の結城一糸さん(40)演じる弥次郎兵衛と喜多八が、日も暮れた赤坂の並木道から卵塔場(らんとうば)という墓場に迷い込み、そこに居合わせた子供を幽霊と思い込んで殴ってしまい、一騒動起こすという場面。6年生の東連太郎君、加藤聡志君、池田芽生さん、松本夏実さんも4人の村人役で特別出演し、人形を操りながらせりふ回しの大役をこなした。
 他にも、弁慶と牛若丸が京都の五条大橋で初対面した「橋弁慶」や、戦国時代を舞台に、武田信玄の息子・勝頼と伝説上の八重垣姫にまつわる物語「本朝廿四孝~奥庭狐火の段」も上演された。糸の繊細な操作で、姫の優美なたたずまいや、弁慶と牛若丸の迫力ある舞などが披露された。
 上演の前に5回ほど練習を重ねたという東君は「すごく緊張したけど、いろいろ教えてくれてうまくやれたと思う」、加藤君は「思ったより難しかった」、池田さんは「人形が思ったより重くて、頭など動かすのが難しかったけど楽しかった」、松本さんは「人生初めての経験。挑戦してみてよかった」とそれぞれ笑顔を浮かべた。
 江戸伝内さんは「400年続いてきたのも、その時代時代で見てくれたお客さんがいたから。お芝居を上手に見てくれてありがとう」と呼び掛けた。