2018年5月6日に埼玉県草加市で上演された浄瑠璃公演がメディアで取り上げられていました。
古浄瑠璃「幻」の演目 キーンさんらの縁で草加で上演|毎日新聞
演目は「越後国柏崎 弘知法印御伝記(こうちほういんごでんき)」。
この浄瑠璃、1685年(貞享2年)に江戸孫四郎の手によって生まれたもの。
この浄瑠璃本を長崎・出島に来ていたドイツ人医師ケンペルが入手。幕府にナイショで持ち出しちゃったのだそうです。
国内には残っておらず、現存するものはロンドン大英博物館に1冊だけという貴重なものだったのですが、300年近くものあいだ中国の物語本だと勘違いされていたため、その存在が知られていなかったとか。
発見されたのは1962年。
復活上演については、日本文学および日本文化研究の第一人者であるドナルド・キーン氏(コロンビア大学名誉教授)が提案、2009年に柏崎市の越後猿八座が行なっています。
柏崎はこの浄瑠璃のゆかりの地ですね。また、越後猿八座を設立した越後角太夫こと上原誠己氏はドナルド・キーン氏の養子となっています(現・キーン誠己)。
2017年6月にはロンドン大英図書館での上演も実現しています。
草加での上演は、同市の市制60周年記念事業として企画されました。同市が評論に授与しているドナルド・キーン賞を設けている縁で実現の運びとなったもの。
「越後國 柏崎 弘知法印御伝記」のあらすじは、こちらにあります。
「弘知法印御伝記」のあらすじ(ストーリー)|「弘知法印御伝記」を上演した越後猿八座の記録
毎日新聞の記事には3分ほどの動画もアップされていますので、古浄瑠璃の雰囲気を味わうことができます。