「曽我物語」は仇討ち文学の基本中の基本、というようなことを大学時代(日本文学部です)に教わったような記憶が微かにあります(笑)。
「夜討曽我」は、十郎と五郎の兄弟が頼朝主催の狩りに参加するという父の仇・工藤を狙って、いよいよ夜討ちをかけるという場面。
しかし、兄弟は郷に残してきた母を案じて、従者に形見を持たせて帰そうとしますが、従者は助太刀をしたいとこれを拒否。
曽我兄弟が従者を従わせようとすると、従者は差し違えて死のうとし、これに驚いた兄弟はこんこんと彼らを説得することになります。
最終的には形見を手に曽我の郷へ向かい、曽我兄弟は本懐を遂げ、十郎は討ち死にし、五郎は捕縛されるという顛末。
仇討ちというクライマックスだけではなく、その前後を描くことで、メリハリがあるとされる出し物です。
間狂言もこの前後の能をつなぐ重要な役割と言われています。