文楽太夫ゆかりの石宮を竹本織太夫さんが再建しました

投稿者: | 2023年1月6日

人形浄瑠璃文楽の竹本織太夫さんが石宮を再建してニュースになっています。

織太夫さんが再建したのは、伏見稲荷大社(京都市伏見区)の境内にある石宮で、「織太夫稲荷」と呼ばれているもの。

この織太夫稲荷、2019年(令和元年)7月の豪雨災害で石鳥居が倒壊。それを再建して、2022年11月16日に奏告祭(=祭祀)を執り行なったというもの。

織太夫稲荷はもともと塚だったものを、堀江座座主の四代目竹本織太夫(木津谷吉兵衛)が1911年(明治44年)に石宮として祀りなおしたそうです。そのため、石宮の正面には「四代目竹本織太夫」の名が刻まれています。

ただ、この四代目は出演歴がないとかで系譜から除外、その後に八代目竹本綱太夫が襲名したので、関係性がボンヤリとしてしまったのですが、それはともかく名前が刻んであるとして代々の織太夫がゆかりの石宮として世話をしてきたという歴史があるそうです。

当代の織太夫が襲名したのは20年ぶりでしたが、豪雨被害があったのはその襲名披露公演の4ヵ月後のことで、縁を感じた織太夫が六代目として再建をすることになったというわけ。

オチのない話のようですが、文楽としてはここからストーリーが始まるというところではないかと思います。

伏見稲荷大社に行ったらぜひ参拝したいですね。